対談〜こうしてビジネスが生まれた〜

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「物販」×「学習塾」──異業種がタッグを組み、新たなビジネスモデルが誕生。

「物販」×「学習塾」──異業種がタッグを組み、新たなビジネスモデルが誕生。

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メンバー Member

ISOYU株式会社
代表取締役 磯遊 晋介

2015年にWEB制作事業「PandaDESIGN(パンダデザイン)」を開始。その後、出張撮影や物販、卸売など複数の事業を展開。特に2020年から手掛け始めた、全商品が半額になる「半額倉庫」は大きな話題を呼び、現在は全国展開を進めている。

株式会社パーソナル・サポート 代表取締役 吉村 昭彦

良心的な授業料で、2〜3人程度の生徒に対し、1人の先生が個別指導を行う学習塾「アップ学習会」を2000年から運営。2004年に「株式会社パーソナル・サポート」を設立し、現在は「教育」を核に関西で約160教室を展開、社会貢献活動にも積極的に取り組む。

──まずは、2社が出会われたきっかけを教えてください。

磯遊社長 弊社は「半額倉庫」という、店舗内の全商品がレジで半額になるアウトレットショップを展開しています。通常の店舗運営では、テナントを借りて家賃を支払うのが一般的ですが、弊社では、使われていない倉庫やお店の一角といったデッドスペースを活用しませんか?というビジネスモデルを構築しています。その空きスペースを探している中で、パズル様からパーソナル・サポート様をご紹介いただきました。

吉村社長 弊社は学習塾を運営していますので、空きスペースがありそうだと声がかかったのだと思います。ただ、あいにく該当スペースはなく、代わりにグループ会社が運営する就労準備支援型の放課後等デイサービス施設「マーブルプレワークス」で、障害を持つ子どもたちが半額倉庫の仕事を体験するという形で開催できないかと提案しました。本来のビジネスモデルとは違ってしまったのですが、磯遊社長は「とりあえずやってみましょう」と、とても柔軟に対応していただきました。

磯遊社長 こちらこそ、なかなか手を上げていただく企業様が少ない中、好意的に考えていただき感謝しています。半額倉庫は、単に商品を売って利益を得るだけでなく、お客様に楽しんでいただくエンターテインメント性を大切にしています。これまでも、コロナ禍で元気を失った商店街を盛り上げるために半額倉庫を開催したり、使われていない学校で半額倉庫学園祭を行ったりするなど、通常の小売店ではやらないようなイベントを行っていました。ですので、吉村社長のご提案はすごく刺さる部分がありましたし、相性が良いと感じました。

吉村社長 弊社も、ちょうど来年で創立20周年を迎えるので、盛り上げていきたいと思っていたところでした。物販体験というのも初めての試みだったので、放課後等デイサービスだけでなく、学習塾も含めたグループ全体で取り組むイベントにしようと進めていきました。学習塾の子どもたちにも、勉強だけでなく、いろんな体験をさせてあげたいといつも思っていますので。

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──具体的にどんな準備をされましたか。

吉村社長 磯遊社長から商品を送っていただいて、中身を確認してポップを作ったり、集客用のチラシやポスターを作成したりしました。初めての経験ばかりで、何が必要なのかも分からず、磯遊社長には細かいことも逐一お聞きしてしまいました。

磯遊社長 いえいえ、弊社が何かをしたことはほとんどありませんでした。事前準備をたくさんしていただいたことを後で知り、何かお手伝いできればよかったと反省しています。

半額倉庫は、インターネット販売で返品されて行き場をなくしたり、売れ残ったりした商品を基本的に扱っていますので、こちらから商品の指定ができません。だからこそ半額で販売でき、すでに値札も付いているので、送った商品を陳列するだけで良いという利点はあります。ただ、何が送られてくるのか分からないので、1個ずつ確認する作業は、僕らにとっては当たり前のことでも、初めての体験となると大変だったと思います。

吉村社長 自分たちで動くのであれば、ある程度スムーズに進んだと思うのですが、子どもたちに任せていたので、見守るスタッフは大変だったかもしれません。しかし、普段顔を合わせることのないグループ会社のスタッフが一丸となり、役職を持たない社員にチームリーダーを任せることができたので、結果的に会社に良い機会になりました。

──当日の反響はいかがでしたか?

吉村社長 当日は学習塾の子どもたちからも希望者を募って、接客や縁日の対応を任せました。2日間の開催で延べ60人以上の子どもたちと、10名以上のスタッフが参加する一大イベントになりました。半額倉庫さんののぼりやキャラクターをお借りしたので、やはりすごくインパクトがありましたね。

磯遊社長 いつもなら事前告知も弊社がさせていただくのですが、今回はあくまでお仕事体験が目的でしたので、商品の売上は二の次でいいと思い、あえて弊社からの事前告知は避けました。弊社が告知したら、お買い得商品を本気で求める人が殺到しますので。

吉村社長 弊社も大々的な宣伝は避け、お仕事体験での開催に理解のある保護者やご近所の方などを中心に告知し、事前予約をとることにしました。結果として、温かいお客様ばかりが集まり、子どもたちの働きを見守ってくださいました。

磯遊社長 いつもの半額倉庫だったらそういう訳にはいきません(笑)。

吉村社長 おかげで安全に終えることができましたが、お客様の数を制限することになってしまいました。利益の最終的な計算はまだできていませんが、もっと貢献したかったという思いはあります。

磯遊社長 今回のようなイベントは、広報活動の一貫だと考えているので、たとえ赤字であっても構わないと思っています。子どもたちの学びの場になって、楽しんでもらえたのであれば、成功だったんじゃないでしょうか。僕も、御社のSNSで子どもたちが頑張る姿を見て、これからも利益を得ることとは別に、子どもたちや障がい者、お年寄りの方などに楽しんでもらえることができるのではないかというヒントをもらいました。

吉村社長 ありがとうございます。子どもたちは楽しんでいましたし、何より保護者の方々が、子どもたちの活躍を見てすごく喜んでくださいました。当日来られなかった社員たちからは「次はいつ開催するの?」という話も出ています。

磯遊社長 ただ今回は、結構な量の商品をお届けしたので、仕分けから陳列、販売、返却という物理的な作業が大変だったと思います。もっと簡易的な形で仕組み化ができたらいいですよね。例えば、弊社はフランチャイズ展開で、どんどんお店が増えているので、近くに新店ができた時に子どもたちに来てもらって、店前で縁日のような形でお仕事体験をしてもらうのはどうでしょうか。運営は弊社のスタッフが担当するので、もっと気軽にコラボできるのではないかと思います。ぜひ継続していきたいので、1回当たりのハードルを下げたほうが、数をこなせると思います。

吉村社長 確かに、当日子どもたちはとても緊張していましたし、忙しそうにしていたので、場数を増やして慣れさせてあげたいと思いました。

磯遊社長 弊社としても、店に商品を並べて販売しているだけでは、お客様に飽きられてしまうので、子どもたちが縁日などの催しをやってくれれば、とてもありがたいです。

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──今後も良いご縁が続いていきそうですね。お二人にとって関西活性化プロジェクトはどのような存在ですか?

磯遊社長 僕は実は人見知りなので、マッチングとかそういうのは苦手で、関西活性化プロジェクトへの参加には当初、消極的でした。でも「参加しなくていいから試しに会ってみませんか?」とご紹介いただいた企業様が素晴らしくて。吉村様と僕には、共通するマインドとして、ビジネスに対しての「柔軟さ」があり、新しいことへの対応力をお互いに活かして、色々な方向に派生して化学反応が生まれるのではないかとご提案をいただきました。ガツガツと参加を勧めるのではなく、プレサービスのような感じで、メリットを提供してくださるスタンスがすごいと思いました。

吉村社長 私は約10年前に、紹介を受けて参加させていただくことになりました。当初は異業種交流会のようなイメージでいたのですが、結構いい感じで、マッチング相手の企業様をセレクトしていただけるんですよね。「こんな企業様と出会いたい」と、こちらから要望したのは過去1回くらいしかなく、いつもパズル様からご提案いただいて、それが素晴らしいご縁につながっています。

磯遊社長 パズル様のご担当者とランチなどで近況を話すと、「こんな企業と相性がいいはずだ」と想像を膨らませてマッチングを提案してくださるんですよね。ご紹介いただいた企業と実際にお会いするときも、フランクな自己紹介からビジネスのヒントを得られるので、人見知りの僕には理想的です。

吉村社長 参加してから10年の間に、大きく成長された企業様も多くて、みなさんのご活躍も大変刺激にもなっています。

──関西活性化プロジェクトをどのような企業に紹介したいですか。

磯遊社長 まさに僕のような人見知りな面もありつつ、ビジネスチャンスを求めている人にはおすすめです。

吉村社長 「こういう企業を探している」という具体的な目的を持って参加されるのもいいと思いますが、特に目的がなくてもパズル様からご提案をいただけますので、どのような企業でもプラスになる出会いが見つかると思います。

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