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大阪のデザイン会社が話題の新発想商材をショート動画で効果的にPR。動画運営サポート企業がその発信を強力バックアップ

大阪のデザイン会社が話題の新発想商材をショート動画で効果的にPR。動画運営サポート企業がその発信を強力バックアップ

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メンバー Member

株式会社HLM
代表取締役 村上 直也

大阪を拠点とするデザイン会社。「基盤としてのデザイン事業」「本と社会をデザインでつなげる選書事業」「100人中99人をターゲットから外す商品開発事業」「ライフスタイルをデザインするキッズ事業」など、複数の事業を展開。2022年にリリースしたコンプレックスカバーメンズファッションブランド「putty(パテ)」が話題に。 https://hlm-inc.co.jp

株式会社mqm
代表取締役 王 明陽

ITと動画を活用したEC支援事業を展開。複数モール対応の簡単ECサイト管理ツール「EasyPage」や楽天市場向けのSEO対策ツール「EasySEO」、LINE自動マーケティングツール「Lmail」などのサービスを提供する。また、動画運営人材育成プログラム「動スク」やデジタルマーケティング支援なども行い、集客力の最大化をサポート。自社の実績・開発力と顧客サポートに強みを持ち、EC事業者の成長を多角的に支援する。 https://mqm.co.jp

――両社の出会いは2025年6月に共催された「関西活性化プロジェクト×株式会社mqm」のセミナーだったそうですね。

王社長 はい。きっかけは「1か月で1,300リードを獲得する方法」というテーマのセミナーでした。当社mqmは、EC支援事業を中心にTikTokなどのショート動画を活用した法人向け研修「動スク@本講座」や、TikTokショップの収益化を学ぶ実践コミュニティ「動スクアカデミー」を運営しています。このセミナーでも、広告費をかけずにわずか1か月で1,300ほどのリードを獲得する実践的なショート動画マーケティング手法や、どんな業種・業態でも成果を上げられる運用ノウハウについてお話をさせていただきました。当日は関西活性化プロジェクトの参加企業を中心に、介護・医療系から通販事業に挑戦する企業まで、幅広い業種の方々にご参加いただいたんですよ。

村上社長 私たちは関西活性化プロジェクトのパズルさんからご案内いただき、「ちょっと覗いてみようか」といった軽い気持ちで参加したんです。参加される企業様と知り合うことでネットワークを広げられたら、という思いもあったので。

有田氏 セミナーには当社のコンプレックスカバーメンズファッションブランド「putty(パテ)」を担当する私と畑崎が伺いました。そこでお話を聞いたところ、王社長のご経歴とお人柄にとても惹かれたんですね。さまざまな困難を乗り越えながら現在の事業を築かれた経緯や、勉強熱心なお人柄もあって、「この人から学びたい!」と直感的に感じました。

村上社長 このセミナーがきっかけで当社でも「TikTokに挑戦してみよう」という話に早速なったんですよ。社内での決定も早く、セミナーから数週間でmqmさんの「動スク@本講座」を受講することにしたんです。

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――その「putty」はどのような商品なのでしょうか。また、それまではどのような販売戦略をされていたんですか。

村上社長 当社はデザイン事業と商品開発事業の2本柱を展開しており、デザイン事業がメインで、もともとWebやグラフィックのデザイン制作が主な業務です。デザイン会社として新しい可能性に挑戦しようと考え、開発したのが「putty」になります。胸の膨らみや乳首透けが気になる男性に向けて、前面を二重構造にした独自パターンで胸やお腹を目立たなくし、体型を自然にカバーするTシャツとして、2022年にリリースしました。最初クラウドファンディングサイト「MAKUAKE」で販売したところ予想以上に反響があったのですが、その後は思うように売上が伸びず、具体的な販売戦略もないまま約2年が経過していたんです。本格的にPR戦略を立てようと考えていたタイミングで王社長に出会ったんですよ。

――そういった経緯から「動スク@本講座」というTikTokの研修を受けることになったんですね。

有田氏 そうですね。ただ、最初は正直「TikTokでPRして本当に効果があるのかな」と思っていました(笑)。「putty」はTシャツとしては高価格帯なので、TikTokのユーザー層と合うのか、SNSの短尺動画でどこまで伝わるか不安でした。でも王さんから「どんな商品でも届けたい相手にきちんとハマれば絶対に売れる」と言っていただいて、チャレンジしてみようと思ったんです。

王社長 今の時代は動画を使った集客や宣伝・販売活動が主流になりつつあり、中でもショート動画はフォロワー数がゼロでも多くの人に届く可能性がある点が大きな強みです。特にTikTokはアルゴリズムの仕組み上、動画がバズれば一気に拡散され、新規参入でも大いにチャンスがあるんです。そこで「動スク@本講座」では、TikTokを中心にショート動画の原理原則やアルゴリズムを学びながら、コンテンツ制作・撮影・編集・分析まで一連の動画マーケティングを実践的に習得していくプログラムを提供しています。

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――mqm様のようにショート動画講座を提供されている他の企業様との差別化はどこにあるんでしょうか? また、ご依頼者の中には動画制作や編集がまったく初めてという方もいらっしゃるのでしょうか。

王社長 おそらく、当社のような形で事業を展開している企業はあまりないと思います。正直、生産性の面では効率的とは言えませんからね(笑)。ただ、TikTokは今後も大きく伸びていくマーケットなので、私たちはその可能性を見据えて先行的に取り組んでいます。ご依頼いただく企業様のほとんどは、動画制作も編集も未経験の方です。それでも2か月のプログラムの中で動画制作の基礎からデータ分析、ネタ作りまで一通り学べるようになっています。その上で、定例ミーティングではコンサルティングやデータ集計、改善提案、目標設定のサポートも行っています。ライブ配信を行っている場合には現場に伺って照明などの設備面も含めた配信環境の確認も行うなど、最適な配信体制を整えるサポートもしています。

有田氏 最初に共有いただいた動スク@本講座教材だけでもかなり充実していて、これだけでも十分だと思うほどでした。でも、実際はそこから王さんが直接来社してサポートしてくださったり、週1回のオンラインミーティングで投稿動画の振り返りや改善点、次週の課題、ライブ配信の方法まで細かく教えていただいたりと、2か月間の研修期間は本当に手厚く、濃いサポートをしていただきました。

――「動スク@本講座」を通じて、社内やブランドにどのような変化がありましたか?

有田氏 最初のうちは再生回数を意識しすぎてターゲット層にうまく刺さらなかったんです。そこで途中から「共感してもらう」ことを重視して、同じような悩みを持つ人たちのあるあるネタをテーマにした動画に切り替えました。そうしたらコメント欄に「わかる」「こういうのあるよね」といった反応が増え、フォロワーも少しずつ増えてきています。

王社長 まさに狙い通りですね。TikTokでは最初から売り込みに行くよりも、まずは共感を生んでファンをつくることが大事なんです。実際、HLMさんのチームは動画の構成力が高いので、その方向にすぐに軌道修正できた。チーム全体の動きが速く、撮影・編集・投稿までのフローも整っているので、改善点を伝えるとすぐに反映されるのが素晴らしい点ですね。

村上社長 TikTokに取り組んだことで、自分たちの発信の仕方を見直す良い機会にもなりました。数字を追うことも大事ですが、それよりも「誰にどう届けるか」という視点を持てるようになったのは大きな収穫です。

王社長 今の調子でファン層を広げていくことが大切ですね。「putty」は商品力が高く、リピート率の高さも強みです。私自身も使い勝手の良さが気に入って愛用しています(笑)。一度手に取ってもらえればその良さが伝わるので、その“最初の接点”をどう作るのかを意識していけば自然と売上も伸びていくと思います。

――現在はHLM様とmqm様はどのような形で関わりを持たれているのでしょうか。

村上社長 現在は「動スクアカデミー」というコミュニティに参加しています。自分たちで運用を自走し始めたところですから、細かい部分で疑問があればすぐに質問でき、アドバイスもいただける環境が心強いですね。

王社長 「動スクアカデミー」では情報発信やセミナーなども開催しています。データ分析やネタに困った時など、質問があれば随時やり取りができる環境なので、いつでもご相談ください。

有田氏 そういえば最近、フォロワーの方から「こういう商品をずっと探していました」というコメントをいただいたんです。あれは本当にうれしかったですね。自分たちの発信がきちんと必要としている人に届き始めていると実感できました。

王社長 少しずつピントが合ってきたようですね。データ的に見ると、一つの商品が認知されて売れ始めるまでには、だいたい100本以上のコンテンツが必要だといわれています。広告はインプレッションやコンバージョンを重視しますが、アカウント運用では世界観づくりが大切なんです。

村上社長 私たちの開発理念は「マーケティングをしない商品開発」なんです。デザイン会社として、Webやファンづくり、商品開発を通じて文化形成まで含めた価値づくりができればと考えています。“売れるもの”を作るのではなく、自分たちが“本当に良い”と思えるものを届けることが、結果的に未来につながる。そんな思いで商品開発を進めてきました。ただ、商品開発の段階ではそういった考え方が大切ですが、広報としての発信を考えると、やはりマーケティング的な視点も必要だと実感しました。mqmさんのサポートを通じて、発信のあり方や伝え方について多くを学ばせていただいたと思います。

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――今後も両社のご活躍から目が離せませんね。お二人にとって関西活性化プロジェクトはどのような存在ですか?

王社長 私は普段あまり社外に出ないんですが、関西活性化プロジェクトさんが開催されるセミナーには積極的に参加しているんです。異業種の方が多いので、自分の知らない分野の話を聞けるだけでも刺激になりますし、本当に勉強になりますね。あと、「二次会」を楽しみにしているところもあります(笑)。

村上社長 私たちは2025年に関西活性化プロジェクトに入ったばかりで、初めて参加したセミナーで王さんと出会うというラッキーがありました(笑)。正直、もともとこういった会にはあまり参加しないタイプだったんですが、パズルさんをはじめ、関西活性化プロジェクトの方にお会いして考えが変わりました。皆さん穏やかで人柄が良いんですよ(笑)。当社はいわゆる“売れる商品を作る”というよりは、“自分たちが良いと思えるものを届ける”ことに重きを置いています。だからこそ、「いいから買ってください」という営業スタイルとは合わないと思っていたので。でもこの関西活性化プロジェクトは単なる営業の場ではなく、考え方や想いを交わせる場だと感じています。そして、情報交換や交流の機会もとても手厚いので、こういう場はなかなかないと今は思っています。

――関西活性化プロジェクトをどのような企業に紹介したいですか。

王社長 短期的な成果や即効性だけを求める企業様より、長期的なつながりを大事にしたい企業さんに向いていると思います。

村上社長 確かに、短期決戦型のビジネスマッチングを求める方には合わないかもしれませんね。結果だけを急ぐのではなく、出会いや関係性のプロセスを楽しみながら時間をかけて信頼を築きたい企業様向きですね。

王社長 よくある交流会だと、名刺交換してすぐ営業みたいな流れが多いじゃないですか。正直、ああいうのはちょっと苦手で(笑)。

村上社長 本当にそうですね。当社も参加したばかりですが、みなさん本当にユーモアがあって、魅力的なサービスを展開されている方が多く、そういう方々と関われるだけでも学びがあります。私自身も参加してみて、とてもポジティブな刺激を受けています。いろんな業種の方の話を聞くだけでも仕事のヒントになりますし、新しい知見を得られる場として気軽に参加してみるのもおすすめです。

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